数学好きには是非挑戦して欲しいみっつのもんだい。

ということで、今回は情報学を離れて数学に。
一時期は得意科目=数学を自負して、数検準一級やらを持ってたりもするわけですが、ここ最近はあまり自信がない。
大学生やりすぎて学力ガンガン降下中。
そんなわけで(?)、今回のエントリは数学!

冪乗和の問題。

自然数a,b,c,nに対して、
a^n + b^n = c^n
を満たすa,b,c,nの組は存在するかしないかを答え、証明せよ。

展開の問題。

二次及び三次関数の因数分解形から一般形への展開
(x - a) (x - b) = x^2 - (a+b)x + ab
(x - a) (x - b) (x - c) = x^3 - (a + b + c)x^2 + (ab + bc + ca)x - abc
と書くことができる。

\underbrace{ (x - a) (x - b) (x - c) \dots (x - z) }_{ 26 }
を一般形にせよ。

角の三等分の問題。

与えられた任意の角を、定規とコンパスのみで、三等分する直線を得る手順をしめせ。
ただし、定規は直線を引くためにのみ用い、長さを測ることはできないものとする。













こたえ


まぁ、タイトルからある程度予想つくと思うけどひっかけです。はい。

冪乗和の問題。

ぱっとみフェルマーの最終定理
なんで思わず「存在しない!」「証明?余白少なすぎじゃ!*1」とか叫びそうになりますがよくよく見れば分かる問題。
正しいフェルマーの最終定理は「nが3以上」という制約が加わっています。

では、n=2なら?
そう。ご存じ三平方の定理
なので、

存在する。
証明 :
(a,b,c,n) = (3,4,5,2)は題意を満たす。*2

以上!*3

展開の問題。

よくある引っかけ問題です。
ポイントは「26次関数」と書いていないこと。
これが「26次関数」と問題に書いてあると問題の不備なのですが...*4
そしてもう一つの、かつ最大のポイントはすべてラテンアルファベットを使っていること。
つまり、

与えられた式は
\underbrace{ (x - a) (x - b) (x - c) \dots (x - w) \overbrace{(x - x)}^{0} (x - y) (x - z) }_{ 26 }
であるため、0次方程式(=定数)である。
よって、一般形は0。

26次をまじで展開した方、すいませんでした。

角の三等分の問題。

これはいくら何でも引っかけは無いだろう。とか思いたくなるほど、そのまんまギリシアの三大作図問題のひとつ。
なので、答えは不可能。

と思わせておいて、実はそうじゃない。
ポイントはどこにも「作図*5」や「有限回」という条件が書かれていないこと。

あくまで「手順を示せ」ばいいので

補題 : 任意の角を二等分することは可能である。
与えられた角の交点Oを中心とした円と、与えられた角をなす2半直線との交点をA,Bとおく。
二点A,Bを中心とした等半径の2円の交点の一つをCとするとき、直線OCは与えられた角を二等分する。

補題の証明 :
三角形OAC及び三角形OBCにおいて、
OA = OB (円の性質)
AC = BC (等半径であるため)
OC = OC (共通)
で三辺が一致し、△OAC ≡ △OBC
対応する角は等しいため、∠AOC = ∠BOC。よって、OCはあたえられた角を二等分する。


三等分線を得る手順 :
与えられた角を∠AOBとする。
1.∠AOBを二等分し得られる半直線をOCとする。
2.∠AOCをさらに二等分し得られる半直線をODとする
3.ODをOA、OCをOBと見なし、再び1の手順に戻る。
4.無限回の手順の後に得られるODは、元の∠AOBを三等分する。

証明:
手順1,2で得られる、∠AODは∠AOBを常に1/4倍し続ける。
故に最終的に得られる∠AODの大きさは、元の∠AOBを
\frac{1}{4} + (\frac{1}{4})^2 + (\frac{1}{4})^3 + \dots
倍することとなる。
これは等比数列の和であるため
\lim_{n \to \inf}\frac{ \frac{1}{4} - (\frac{1}{4})^n}{ 1 - \frac{1}{4} } = \frac{1}{3}
となり、三等分している。



ちょっとこれはずるいかな?
まぁ、でも、無限回していいならできるんだよー、ってのを書きたかっただけ。
図を書く余力がないので、というか単にめんどいので、図は頭の中なり手元のお絵かき帳にでも書いてみてくだせぇ。
だいたい3回から5回ぐらい四等分すると、実用上困らないぐらいの三等分になるんじゃないかと。というか、四等分できなくなるw





そんなこんなでした。

*1:フェルマーの超有名なお言葉。筆者もよく使う色々便利な言葉

*2:存在する。の証明は一個例を挙げるだけでいいので楽〜

*3:当然n=1も題意にあうので、1+1=2で(a,b,c,n)=(1,1,2,1)もok

*4:26次関数、と言ってしまうとxの26次の項が存在することにまってしまう。

*5:作図、と行った場合には「有限回使って」という暗黙の条件が入るのです。o(д)♂Σビシッ